ダンサーとして活動していると、「税金ってどうしたらいいの?」「確定申告って自分もしなきゃいけないの?」と疑問に思うことはありませんか?
レッスン料や出演料、大会の賞金、SNS収益など、ダンサーの収入は意外と多岐にわたり、その扱いを間違えると税金で損をしてしまうこともあります。
そこで本シリーズ 「ダンサーの税金豆知識」 では、全5回にわたり、初心者にもわかりやすく 税金の基本から節税のコツ、確定申告の流れ、よく使う税務用語の解説 までを解説していきます。
シリーズ内容(予定)
- ダンサーは個人事業主?収入の種類と税金の基本
- ダンサーが経費にできるもの・できないもの
- 確定申告の流れと実践ポイント
- 社会保険・年金・将来の備えについて
- ダンサーが知っておくべき節税テクニックとお金の工夫
「税金」と聞くと難しそうに感じますが、ダンサーに必要な知識に絞って解説していくので安心してください。この記事を読めば、税務の不安が減り、自分の活動にもっと集中できるようになります。
ダンサーは個人事業主?収入の種類と税金の基本
1. はじめに ― なぜダンサーに税金の知識が必要?
「ダンスは芸術だから、税金なんて関係ないでしょ?」と思われがちですが、実は大間違い。
レッスン料や出演料を受け取った瞬間から「所得」としてカウントされ、申告が必要になります。
特にフリーで活動するダンサーは、自分で税金の管理をしないといけないので注意が必要です。
2. ダンサーの収入源は意外と多い
一口に「ダンサーの収入」と言っても、その種類はさまざまです。
- レッスン料(個人レッスン、グループレッスン)
- 出演料(競技会・舞台・イベント)
- 大会賞金
- SNSやYouTubeでの広告収入・投げ銭
- 衣装やグッズ販売
こうした収入は「給与」ではなく「事業」や「雑所得」として扱われることが多いのがポイントです。
3. 収入の種類と扱いの違い
税金上は、収入の種類によって扱いが変わります。
- 給与所得になるケース
ダンス教室に雇われて、給料としてもらっている場合。源泉徴収されるので比較的シンプル。 - 事業所得になるケース
フリーでレッスンをしたり、公演に出演して謝礼をもらう場合。経費を差し引いて申告できる。 - 雑所得になるケース
本業のサラリーマンをしつつ、たまに大会賞金や副業的にレッスン料を得る場合。
「所得って何?」セクション
所得とは「儲け」のこと
よく混同されがちですが、
収入(もらったお金の総額) ≠ 所得(税金計算のもとになる金額) です。
収入(売上) - 経費 = 所得
この全容を税務署に提出することが確定申告なのです。
4. 個人事業主としての立場
フリーで活動するダンサーは「個人事業主」として扱われます。
- 開業届を出すとどうなる?
→ 青色申告ができ、節税メリットが増える。信用も得られる。 - 出さなくても活動できるけど…
→ 税金的には不利。経費の扱いが限定される。
「本気でダンスを仕事にする」なら、開業届を出すのがおすすめです。
本記事の末尾に開業届についても追記で詳しく書いています!
5. 税金がどう関わってくるか
税金の基本はシンプル。
売上 − 経費 = 所得
所得 − 控除 = 課税所得
課税所得が出た場合に初めて所得税がかかります。
基礎控除(48万円)などの控除があるので、所得が少ない場合は税金ゼロになることもあります。
「控除とは?」セクション
控除は「税金を軽くしてくれる仕組み」
- 所得が出たら、そのまま全部に税金がかかるわけではありません。
- 税金を計算する前に、一定の金額を差し引いてくれる仕組みがあります。
- この差し引く仕組みを「控除」と呼びます。
控除の代表例
- 基礎控除(誰でも使える、48万円)
- 社会保険料控除(国民健康保険や国民年金を払った分)
- 医療費控除(医療費が高額になったとき)
- 青色申告特別控除(青色申告すると最大65万円控除)
6. ダンサーにありがちなパターン例
- サラリーマン+副業ダンサー
→ 給与+雑所得扱い。副業収入が20万円を超えると確定申告が必要。 - 専業フリーダンサー
→ 開業届を出して事業所得扱いにするのが一般的。 - ダンス教室所属+個人活動あり
→ 給与所得+事業所得の両方を申告する必要がある。
7. まとめと次回予告
ダンサーの収入は多岐にわたり、税金の扱いもケースごとに変わります。
「自分はどの収入パターンに当てはまるのか?」を知ることが第一歩。
次回は「ダンサーが経費にできるもの・できないもの」について詳しく解説します。
練習着や移動費は経費になるの?衣装やメイク代はどう扱うの?など、実用的なテーマを取り上げます。
とても良いポイントです!
おっしゃる通り 開業届を出していなくても確定申告はできます。
開業届についての追記です。
■ 開業届と確定申告の関係
- 確定申告
→ 「1年間の所得を税務署に報告する手続き」なので、開業届を出していなくても義務は発生します。
→ たとえば、副業でレッスン収入が20万円を超えた場合も、確定申告は必要です。 - 開業届
→ これは「自分は事業を始めました」と税務署に知らせる書類。
→ 出すことで「事業所得」として認められ、青色申告が使えるようになります。
■ 開業届を出すメリット
- 青色申告(最大65万円の控除、赤字の繰越など)ができる
- 事業としての信用が得られる(口座開設や補助金申請で有利)
- 経費計上の範囲が広がる(雑所得よりも柔軟)
■ 開業届を出さない場合
- 確定申告は「雑所得」として処理することになります。
- 経費が認められる範囲は狭く、節税効果も薄い。
- 青色申告は使えず、白色申告しかできない。
つまり:
✅ 確定申告は開業届なしでも可能
✅ でも本格的にダンサーとして収入を得ていくなら、開業届を出した方が有利
コメント