ダンスのレッスン料や公演の出演料など、活動を続けていれば少しずつ収入が発生します。そんなときに避けて通れないのが「確定申告」。
「副業で月数万円の収入しかないけど、申告は必要?」「何から手をつければいいの?」と迷うダンサーも多いはずです。
本記事では、ダンサーが確定申告を行う際の基本的な流れと初心者がつまずきやすいポイントをわかりやすく解説します。
収入の整理から経費計上、控除の活用、申告方法まで、実践的なステップをまとめました。
これを読めば、初めてでも自信を持って申告に臨めます。
ダンサーでもできる!確定申告の流れと実践ポイント
1. はじめに ― なぜダンサーに確定申告が必要なのか
ダンサーとしてレッスン料を受け取ったり、公演やイベントで出演料を得ている場合、その収入は課税対象になります。
「副業だから少額だし、申告しなくても大丈夫?」と思う人もいますが、原則として年間20万円を超える所得がある場合は申告が必要。
申告を怠ると追徴課税や延滞税のリスクがあるので注意しましょう。
2. 確定申告の基本ステップ
確定申告は、流れを押さえれば難しくありません。基本は次の5ステップです。
- 収入をまとめる
- レッスン料、公演出演料、イベント報酬など
- 源泉徴収票や支払調書をもらったら必ず保管
- 経費をまとめる
- ダンスシューズ、衣装、スタジオ代、交通費など
- 領収書・レシートを集め、ノートや会計ソフトに記録
- 所得を計算する
- 所得 = 収入 - 経費
- 控除を適用する
- 基礎控除(誰でも受けられる48万円)
- 社会保険料控除、医療費控除など
- 申告書を作成・提出する
- 書類をそろえて提出すればOK
3. 確定申告の方法(3つのやり方)
ダンサーでも利用しやすい申告方法は以下の3つ。
- 税務署で申告
書類を直接持参。窓口で相談できる安心感あり。 - e-Tax(パソコン・スマホ)
マイナンバーカードがあればオンラインで申告可能。最近はスマホ申告も対応。 - 会計ソフトを使う
freee、マネーフォワード、弥生などを使うと、経費入力から申告書作成まで自動化。副業ダンサーにおすすめ。
筆者が使っているおすすめの会計ソフト「弥生会計」
スマホに対応しており、記帳が楽になりました。
レシートをスマホで取り込むことが可能です。
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4. 初心者がつまずきやすいポイント
- 所得区分の判断
→ サラリーマンが副業で月数万円程度なら「雑所得」、本格的なら「事業所得」 - 経費の領収書を残し忘れる
→ コンビニレシートも必ず保管! - 家賃・光熱費の按分を忘れる
→ 自宅を使っている場合は割合で計算可能。
「給料」ではなく「外注費」として支払われるケース
雇い主側が「雇用契約」ではなく「業務委託契約」にしている場合、支払われるのは給与所得ではなく「事業所得 or 雑所得」になります。
給料ではないので「源泉徴収票」ではなく、必要に応じて「支払調書」が発行されることがあります。
お店から「給与」ではなく「外注費」として扱われているなら、あなたは 個人事業主と同じ立場 で税務処理をしないといけません。
支払調書がなくても大丈夫?
結論から言うと、支払調書がなくても確定申告はできますし、問題ありません。
なぜなら確定申告に必要なのは「実際に受け取った収入の金額」であり、支払調書はあくまで参考資料だからです。
支払調書がなくても大丈夫?必要書類と代替資料まとめ
| ケース | 税務上の扱い | 証拠として使えるもの | ポイント |
|---|---|---|---|
| 支払調書がある | 参考資料(必須ではない) | 支払調書+振込明細 | 金額をそのまま収入として記録すればOK |
| 支払調書がない(振込で入金) | 入金記録をもとに収入計上 | 通帳の入金記録、振込明細、契約書、メールのやりとり | 「実際に入った金額」で申告すれば問題なし |
| 支払調書がない(現金手渡し) | 現金受取でも収入に含める必要あり | 領収書控え、自作の受領記録ノート、生徒リストやチケット枚数 | 証拠を自分で残すことが大切。記録がないと税務署に説明できない可能性あり |
| 少額(数千円〜数万円)で単発 | 雑所得として申告可 | メモ・領収書・振込明細 | 金額が小さくても申告義務はある(所得20万円超なら確定申告必要) |
5. 節税につながる控除の基本
- 基礎控除(一律48万円)
- 社会保険料控除(国民年金や健康保険料など)
- 医療費控除(年間10万円を超える医療費が対象)
- 青色申告特別控除(最大65万円控除。ただし開業届と帳簿が必要)
控除を知っているかどうかで、税額に大きな差が出ます。
6. 確定申告の提出期限と注意点
- 申告期間:毎年2月16日〜3月15日
- 期限を過ぎると延滞税・無申告加算税が課される可能性あり
- 副業バレを避けたい場合は、**住民税を「普通徴収」にする」**を選択する必要があります(ただし会社に怪しまれる可能性もあるので注意)。
7. まとめと次回予告
確定申告は一見複雑そうに見えますが、流れを押さえればシンプルです。
「収入をまとめる → 経費を記録する → 所得を出す → 控除を適用 → 申告書を提出」
この流れを毎年繰り返すだけでOK。
次回は 「ダンサーが知っておくべき社会保険・年金・税金の基礎知識」 を解説します。ダンサーが個人事業主として活動する上で知っておくべき制度を整理します。
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