ヘアカットやパーマをかけてもらうために多くの方が美容室を利用しているでしょう。
美容師は、美容師免許という国家資格がないと行うことができません。
それでは、競技会やパーティーなど社交ダンスをするときのヘアセットには美容師免許が必要なのでしょうか?
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美容行為を行うには美容師免許が必要
美容師免許については美容師法という法律があります。そこでは、「美容」を業として行うことができるのは美容師免許を持った「美容師」のみであると書かれています。
(無免許営業の禁止)
第六条 美容師でなければ、美容を業としてはならない。 |
美容師法は、美容の業務が適正に行われることで、公衆衛生をまもることを目的としています。
つまり、美容行為をする際、ハサミや、パーマ液、整髪料、化粧品などさまざまな用品を頭部に対して用います。
このようなものを知識のない者が行うと処置を誤り、施術を受けた人の身体に悪影響を及ぼす可能性があります。
そのため、これらを扱う美容行為について、一定の養成課程を経て美容師試験に合格した者のみに行うことを認めることで、公衆衛生を守ろうとしているのです。
ヘアセットも美容にあたり美容師免許が必要
美容師免許が必要な「美容」の意味については以下のとおり書かれています。
(定義)
第二条 この法律で「美容」とは、パーマネントウエーブ、結髪、化粧等の方法により、容姿を美しくすることをいう。 |
要するに「美容」とは、容姿を美しくする施術をすることであり、結髪、つまりヘアセットも含まれます。
社交ダンスのヘアセットで、髪を結ったり、ドライヤー、くし、スプレー、ジェルを用いて整髪したり、小物をつけたりする行為はすべて「美容」にあたることになります。
そのため、社交ダンスのヘアセットを業として行うには美容師免許が必要なのです。
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どこまでであれば美容師免許が不要?「業として」の意味
それでは、どこまでであれば美容師免許がなくても行うことができるのでしょうか。
前述のとおり、「美容師でなければ、美容を業としてはならない」とあるので、「業として」行うのでなければ美容を行うことはできます。
一般に「業として」とは、その行為を反復継続して行う意思をもって行うことを指します。
その言葉の響きから、お金をもらって行うもののみが対象となるようにも思えますが、反復継続して行うのであれば無料であっても「業として」行っていることになります。
ただし、「業として」といえるためには、それが社会的な一つの役割として行っているといえるようなものであることが必要です。
そのため、私生活上の行為、たとえば家族間や友人間でヘアセットをするような場合であれば、「業として」美容を行ったとはならないでしょう。
したがって、このような純粋な私生活上の行為といえるようなものは、美容師免許なく行うことができます。
逆にいえば、これ以外の目的で美容行為をすることは、美容師免許が必要な場合が多いでしょう。
たとえば、代金をもらってヘアセットをする場合は基本的にすべて美容師免許が必要になるでしょう。
逆に代金をもらっていなくても、それが私生活上の行為といえなければ、美容師免許が必要となる可能性が高いです。
そのため、社交ダンスの競技会やパーティーの会場で無料のサービスとしてヘアセットを行う場合も、美容師免許が必要となります。
また、SNSで施術を受ける人を募って、無料でヘアセットをするようなことも美容師免許が必要な行為といえます。
施術を行う場所も関係はなく、自宅のような私的な場所であっても、その施術の内容が上記の要素を含む場合には、やはり美容師免許が必要になります。
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美容師免許なく美容行為を行ったら?罰則はある?
美容師免許なく美容行為を行った場合は美容師法第六条違反になります。
第六条違反については、以下の刑事罰が定められています。
第十八条 次の各号のいずれかに該当する者は、三十万円以下の罰金に処する。
一 第六条の規定に違反した者 |
罰金というのは、交通違反の違反金などとは違い、刑事罰に該当します。
無免許で美容行為を行うことは、前科がついてしまう可能性がある行為なので、十分このことに注意しましょう。
実際に無免許で美容行為を行って摘発された事例もあります。
ヘアセットではないですが、まつ毛エクステを行っていた事業者が無免許であったとして摘発されています。この事例では、まつ毛エクステの施術を受けた人が、目の異常を訴えて通報をされたことがきっかけとなったようです。
摘発されるのはこのような悪質な事例のときが多いですが、ヘアセットの場合でも、身体に影響のある用品を用いることがあるので、施術を受けた人がなんらか身体の異常を訴えれば、摘発されるリスクがあります。
ヘアセットを他人に施術する場合には、それが美容師免許が必要なものであるか、きちんと確認しておきましょう。
もし美容師免許が必要かどうか悩まれた場合は、厚生労働省の医薬・生活衛生局 生活衛生課やお近くの保健所に問い合わせるようにしましょう。
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メイク行為は?
メイク行為も美容行為に当たります。
なので、同様に美容師免許は必要です。
社交ダンス業界で摘発されたという話は聞いたことがありませんが、やっていいこととは言えません。
自治体の判断にもよる
どこまでが認められるかは自治体の判断によるところもあります。
不安な人は、自治体や厚生省等に確認してみましょう。
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