ダンス

社交ダンスに必要な筋肉とは?おすすめのトレーニング方法!

「ダンスに筋トレは必要ない!」と考えている人も多いのではないでしょうか。

確かにムキムキな肥大した筋肉は必要ないでしょう。しかし、動作をより正確により綺麗に見せるには、安定した身体やスムーズな動きができる筋肉が必要不可欠なのです。その身体を作り上げるために必要なのが「筋トレ」です。

今回は、社交ダンスに必要な筋肉を解説するとともに、効果的なエクササイズをピックアップして紹介していきます。

ダンスに重要な筋肉

ダンスのパフォーマンスに関わる筋肉は沢山ありますが、ここでは特に重要な筋肉を紹介していきます。

 

体幹部

ダンス中にブレない体の軸を作るためには、体幹部の筋力が必要です。

 

体幹部の筋肉には

・大胸筋

・広背筋

・脊柱起立筋

・腹筋群(腹直筋・外腹斜筋・内腹斜筋・腹横筋)

などがあります。

 

これらの筋肉は、個別に鍛えることも可能ですが、ダンスに必要なのは筋肥大させることではなく、筋力を高めること。体幹部全体の筋肉をトータル的にバランスよく鍛えることが必要です。

 

 

肩甲骨周辺

手を長く見せる、腕の動きをスムーズにする、体を回旋させるキレをだすなど、上半身の滑からな動きには肩甲骨周辺の筋肉が必要です。

 

肩甲骨周辺の筋肉には

・棘上筋

・棘下筋

・肩甲下筋

・小円筋

などがあり、この4つはまとめて「ローテ―ターカフ」とも呼ばれ、肩甲骨の動きをコントロールする重要な筋肉たちです。

 

 

大臀筋・中臀筋

お尻の筋肉である大臀筋は、股関節の安定性に関係する下半身の要となる筋肉です。どんなに太ももの筋肉を鍛えても、股関節の周りにある大臀筋が弱ければ、安定性を高めることはできません。

 

また、片足立ちになった際に力を発揮する中臀筋も重要。

中臀筋が弱ければ、片足立ちになったときに股関節が安定せず、体勢を崩しやすくなります。

 

 

腸腰筋

お尻の筋肉同様、下半身の安定性に関係してくるのが腸腰筋です。

 

大腰筋と腸骨筋という2つの筋肉をまとめて腸腰筋と呼ばれますが、腸腰筋は、背骨~骨盤の中を通り太ももの骨である大腿骨に向けて走行しています。

腸腰筋は主に脚を持ち上げる時に力を発揮します。

 

下半身と体幹部をつなぐ腸腰筋は、下半身の安定性だけでなく体幹部の安定性や体幹部と下半身の連動にも関わります。

 

 

下腿三頭筋

ダイナミックな動きを行うには、しっかりと床に対して力をかけ身体を安定させたり、床を蹴る反動によって勢いをつけるなど、足のふんばりが欠かせません。

その働きを担っているのが、ふくらはぎの筋肉である下腿三頭筋です。

 

つま先立ちをすると盛り上がるふくらはぎの筋肉が下腿三頭筋です。主に足首を伸ばした際に力を発揮します。

 

下腿三頭筋は、腓腹筋とヒラメ筋という2つの筋肉から構成されています。

 

 

ダンスのパフォーマンスを高めるエクササイズ

ダンスに必要な筋肉を鍛えるための、オススメのエクササイズを紹介していきます。

 

体幹部のエクササイズ

複数の体幹部を同時に鍛えるエクササイズを紹介します。

 

①プランク

1.前腕と肘を床につけて、うつ伏せになります。前腕は平行にし、手は軽く握ります。足は腰幅程度に開き、つま先を立てて床につけましょう。

2.膝をまっすぐ伸ばしたまま腰を浮かせます。前腕とつま先だけで身体を支えます。

3.その姿勢のまま20秒間キープします。

 

【ポイント】キープ時は、頭からカカトまでが一直線になっていることが正しい姿勢です。お尻が上がっていたり、頭がまっすぐではなく、下がっていたり正面を向いていると、負荷が体幹部から抜けてしまいます。長時間できてしまうようならフォームが崩れている可能性大。正しい姿勢であれば20秒でもかなりきついエクササイズです。

キープ中、腹筋を中心に、全身に力を入れるのを意識すると負荷が高まります。

 

②サイドプランク

1.横向きになり、肘を曲げて前腕と肘を床につきます。両脚は伸ばして重ねておきます。

2.前腕と足の側面で身体を支えるようにして腰を床から浮かせます。

3.その姿勢のまま、20秒キープしましょう。

4.反対側も同様に行います。

 

【ポイント】サイドプランクは正面から見ても、上から見てもの身体が一直線になっているかどうかチェックしましょう。お尻を後ろに引いて腰が曲がっていたり、頭が前に出てしまうとバランスがとりやすくなり刺激が逃げてしまいます。

また、下腿部が床につかないように、しっかり腰を持ち上げましょう。

 

 

肩甲骨周辺のエクササイズ

肩甲骨の動きをスムーズにするエクササイズを紹介します。

 

①可動域向上エクササイズ

1.両手を万歳するように頭上に持ち上げます。この時、肘は真っすぐ、手のひらは内側に向けておきましょう。

2.肘を曲げながら腕を外に広げていきます。この時、手のひらを外に向けるように捻りながら肘を曲げていきましょう。

3.肩甲骨を内側に寄せ、後ろまで引きましょう。この時、手のひらは外側を向いています。

4.掌を元に戻しながら肘を伸ばしていき、元の姿勢に戻ります。

5.この動作20回繰り返します。

 

【ポイント】肩甲骨には、腕の上げ下げだけでなく、腕を回旋させる、胸郭を広げたり閉じたりするなどの働きがあり、それらの動作をすべて取り入れているのがこのエクササイズです。大きな動作でしっかり腕を回旋(捻り)ながら動作を行いましょう。

 

 

大臀筋・中臀筋のエクササイズ

大臀筋・中臀筋を刺激し、股関節の安定性を高めるエクササイズを紹介します。

 

①ブルガリアンスクワット

1.脚を前後に開きます。後ろ足をイスの上などに乗せ片足立ちになりましょう。

2.前の膝が90度になるくらいを目安に、股関節と膝を曲げて体を下していきます。

3.前の膝が90度になるまで下ろしたら、元の姿勢に戻ります。

4.片側10回行ったら反対側も同様に行います。

 

【ポイント】後ろ足はほとんど力を入れず、前側のお尻に負荷がかかるように意識しながら動作を行いましょう。体を下した時に膝がつま先よりも前に出てしまうようであれば、一歩足を前に出し、脚幅を大きくしましょう。

 

②ファイヤーハイドランド

1.四つんばいの姿勢になります。肩の真下に手をつき、股関節の真下に膝をつくようにしましょう。つま先は地面につけておきます。

2.片方の膝を真横に持ち上げていきます。この時、股関節だけを動かし、膝の角度が変わらないようにましょう。

3.上げれるところまで上げたら元の姿勢に戻ります。

4.片側10回行ったら反対側も同様に行います。

 

【ポイント】動作中、身体が捻じれないように注意しましょう。脚を高く上げる意識よりも、身体をまっすぐにしたまま、股関節だけを動かすように意識して脚を上げるとよいでしょう。

 

 

腸腰筋のエクササイズ

腸腰筋を刺激し、体幹と下半身を同時に刺激するエクササイズを紹介します。

 

①ニーアップ

1.足を閉じて立ちます。両手は腰に当てておきましょう。

2.膝を曲げながら脚を高く持ち上げていきます。

3.持ち上げられるところまで上げたら、元の姿勢に戻ります。

4.片側10回行ったら反対側も同様に行います。

 

【ポイント】動作は、膝を高く上げることがポイント。適当な動作で回数をこなすよりも、1回1回、しっかりと膝を持ち上げられるところまで上げ、お腹にもグッと力を入れることを意識してみましょう。

 

 

下腿三頭筋のエクササイズ

ふくらはぎを刺激し、床を押す力を高めるエクササイズを紹介します。

 

①カーフレイズ

1.腰幅程度に足を開き立ちます。壁などに手をついて身体を安定させましょう。

2.カカトを地面から浮かせ、つま先立ちになります。

3.あげられるところまで行ったら、ゆっくりと元の姿勢に戻ります。

4. この動作を10回繰り返します。

 

【ポイント】可動域全体を使って動作をすることがポイントです。階段など、段差でカカトが常に浮いている状態で行うと、可動域全体を使うことができ、強度が高まります。初めのうちはゆっくりと大きな動作で、慣れてきたらリズムよく動作を行うようにしましょう。

 

 

おわりに

筋トレはやり方によって効果が変わります。社交ダンスに活かすためには、少し負荷を高く設定して行うと、筋力を高めることにつながります。エクササイズはどれも基本3セットを目安に取り組んでみてください。

 

筋力はすぐには向上しません。続けて行うことで、身体の安定性が高まってくるのを実感することができるはずです。普段の練習と並行して筋トレを導入し、ダンスのパフォーマンスを高めましょう。